「こはぜ」は足袋・脚絆・手甲などの合わせ目をとめるのに使われる爪形のものです。合わせ目の端につけ「こはぜかけ」にかけて合わせてとめます。現在「甲馳」と書きますが、これは当て字に近く「二つ以上の物を硬物質でつなぎ合わせてひとつにする」の意に近いようです。
足袋は平安中期、鼻緒のずれを防ぐ為に生まれましたが、一般的ではなく、領主の許可が必要でした。
その足袋に甲馳をかける仕立てになったのは明治中期頃です。
第一次大戦後の好景気時には、18金製の甲馳が登場したこともあります。第二次大戦が始めると真鍮の代用として、鉄板に亜鉛メッキをした甲馳が製造されましたが、サビが酷く足袋を汚してしまうので、アルミ板の配給を受けました。
プラスチック製もありましたが、実用的ではなく、一足12枚ある甲馳も8枚に節約しました。
着物を着て足袋を履くのが当たり前だった時代には、
甲馳はただ足袋が脱げなければ十分でしたが、着物を着る習慣が日本人から離れてしまった現在、足袋の必要性も極めて少なくなりました。
そうなると甲馳の役目はただ足袋が足から脱げないだけでなく、いかに素足にフィットし、甲馳が金属であることを忘れるほど柔軟性に富んだものであるかが問われてくれるのです。すなわち本物志向の甲馳が望まれている訳です。我々はその問題を解決するために甲馳に溝のある真鍮線を巻いています。左図のように甲馳に枠組みをすることによって弾力性バネ性に優れ、たわみ力も増し足に異物感を与えず体の曲線にフィットするようにできています。着物を美しく着こなすのは足元の美しさで決まるといっても過言ではありません。足元からの着こなしを大切にしてみようではありませんか。
金色、銀色、黒といった通常のものから、白・ピンク・ブルー・グリーン・パ
ープルといったカラフルな色の塗装もできます。またオリジナルの柄を入れることもでき、バリエーション豊富に、ご要望にお応えいたします。大きさも従来のものから違う大きさのもの、また変形バージョンのこはぜなど、みなさまからのご要望に応えながら、一緒に製品作りを行っていきます。
色:金、銀、黒、白、緑、ピンク、青、紫 ほかご相談ください
厚み:0.26mm、0.31mm、0.32mm、0.35mm、0.4mm(掛金具)、0.8mm(アルミ)
材質:真鍮、アルミほか
(24金で製造したこともあります)
柄:サイズ(数字)、文字、ロゴマーク、オリジナル柄など納得いただけるまで校正します。